【新唐人2016年3月21日】
中国の社会問題についての最新調査報告によると、中国の都市部と農村の老人では、晩年の生活レベルの格差が大きく拡大していることが分かりました。国家機関の定年年金は、農村の養老保険年金に比べ22.5倍もの格差があると、ネット上で最も大きな話題になっています。
中国の3つの研究機関の発表である「中国老年社会追跡調査報告」では、都市部の国家機関の定年年金は月額平均3174元(約56000円)です。農村の養老保険年金は月額平均141元(約2500円)で、基本的な生活も維持できないレベルです。両者の差は22.5倍にも広がっています。
中国のポータルサイト「網易」では5万人のネット民が論争し、郭伯雄失脚時より熱を帯びています。
ネット民の意見は大きく2つあります。
都市部支持派は、15年以上も厚生年金を納めたのだから優遇されて当然だ。納めていない人が同等の優遇を受けることができますか?と言います。
農村同情派は、農民は穀物収穫のほとんどを納め、農業税も長年支払い多大な貢献をした。最低限の公正を与え、都市部とのギャップを払拭すべきだと言います。
お互いに特権を持ちたい双方の意見は割れています。
しかし共産党体制研究学者は、特権は共産党政府のみが持ち、国民はみんな被害者だと述べています。
仲維光氏
「政府が最高層である共産党体制では、社会全体の為に機能する公平な社会システムを提供することができません」
非公開ですが、2014年の共産党定年退職高官の年金支払額は675億元(約1兆1900億円)を超えています。
一方、農村部の老人の生活困難による自殺率は空前の高さです。政府の養老福祉は都市部と農村部での支給金額の格差が22.5倍。話題性も郭伯雄を超えています。
農村部では老人が家族に養ってもらう事は幻想となっており、老人たちは精神的に行きづまります。
農村部の老人たちは、生活苦や病気で惨めに生きていくより、死んだ方がましだと考え、農薬を飲んだり、首つり、入水で自殺します。さらには死後、子供が埋葬してくれない事を心配し、自分で穴を掘ってから農薬で自殺するケースもあります。中国の伝統家庭の価値観は、共産土地改革により徹底破壊されたのです。
王江松氏
「伝統文化は合理的な制度をつないで来たのです。例えば家族制度、地方名士兼地方官吏の制度、農民共済制度などの伝統があります。古来、皇帝は農村まで行かず、農民は自治権がありました。今は土地は国家所有制度なので、農民は土地を私有できず、政府は農民の権利奪った上に、政府責任を果たさない。農民は社会地位がなく、自力救済もできず、このような有様です」
2014年時点で、60歳以上の老人は2.12憶人におよび、そのうち農村部は1.05億人です。農村老人の社会問題に責任を負うべきは誰なのか?この問題に向き合わなければいけません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/03/18/a1258270.html (中国語)
(翻訳/碧眞 ナレーター/眞彌 映像編集/李)